読み物一覧に戻る
インタビューの仕事は「原稿の用意」ではなく「気持ちよく話せる設計」
2026.07.22

インタビューの仕事は「原稿の用意」ではなく「気持ちよく話せる設計」

インナーブランディングブック制作広報
宮崎 慎也
この記事を書いた人宮崎 慎也イランコッペ 代表取締役 / 編集者・プランナー
Share

社員インタビューの記事化を支援していると、事前準備の段階でよくこう聞かれます。「想定問答を作って、答えを用意しておいたほうがいいですよね?」

気持ちはよくわかります。話すのが苦手な社員も多いし、変なことを言われても困る。でも私たちの答えは決まっています。原稿を用意してはいけません。用意すべきは「気持ちよく話せる設計」です。

答えを用意された取材は、朗読会になります。話し手は間違えないことに集中し、声から体温が消え、記事は「どこかで読んだような社員の声」になります。読者はそれを一瞬で見抜きます。

取材前に渡すのは「質問」と「伝えたいことの仮説」

では何を準備するか。私たちは取材の1週間前に、2つのものを話し手に渡します。

ひとつは質問項目。ただし「模範解答を考えてきてください」ではなく「こんなことを聞きますので、思い出だけ温めておいてください」と添えます。もうひとつは、記事で伝えたいことの仮説とタイトル案です。「あなたの話のここが面白いと思っている」と先に伝えると、話し手は安心して、その周辺のエピソードを自分から掘り出してくれます。

本番は「人」にフォーカスする

取材本番で意識しているのは、仕事の説明より人の話を聞くことです。プロジェクトの概要は資料を読めばわかります。聞きたいのは、そのとき何に迷ったか、誰の言葉に救われたか、終わった夜に何を思ったか。

部門や役職ではなく人にフォーカスした記事は、社内で読まれ方が変わります。「あの部署の紹介記事」は他人事ですが、「あの人の話」は読まれるのです。読み手の頭の中で絵が動く記事は、必ず具体的な情景から生まれます。

2時間の枠で、話は前半・撮影は後半

実務的な設計もひとつ。取材と撮影を同日にやる場合、枠は2時間、前半1時間で話を聞き、後半で撮影に移ります。順番が大事です。先に撮影をすると、話し手は「見られるモード」のまま取材に入ってしまい、言葉が固くなります。たっぷり話して温まった後の表情は、写真も自然です。

話し手が「楽しかった、話しすぎちゃった」と言って帰る取材は、ほぼ間違いなく良い記事になります。インタビュー記事の制作はサービス紹介(ブック・社内報・記事制作)をご覧ください。

読み物一覧に戻る
インナーブランディングめも