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コーポレートステートメントとは?——タグラインとの違い・実例・作り方まで
2026.07.20

コーポレートステートメントとは?——タグラインとの違い・実例・作り方まで

インナーブランディング広報MVV
宮崎 慎也
この記事を書いた人宮崎 慎也イランコッペ 代表取締役 / 編集者・プランナー
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コーポレートステートメント、タグライン、スローガン、ブランドメッセージ、キャッチコピー——。企業の「言葉まわり」には似た用語が多く、社内の議論が言葉の定義でつまずく場面をよく見かけます。この記事では、これらの違いを実例つきで整理し、作り方の要点までまとめます。

コーポレートステートメントとは

コーポレートステートメントとは、企業の存在意義や姿勢を、文章のかたちで宣言したものです。多くは数行〜十数行。企業サイトのトップや会社案内の冒頭に置かれ、「私たちは何者で、何を信じ、どこへ向かうのか」を語ります。

一言で言い切るタグラインと違い、ステートメントには文脈と体温を載せられます。だからこそ、きれいな定型文では意味がありません。その会社の歴史や意思決定に根ざした、その会社にしか書けない文章になっているかが生命線です。

タグライン・スローガン・キャッチコピーとの違い

整理すると、次のような役割分担になります。

タグライン(コーポレートメッセージ)は、企業の人格を一言に圧縮したもの。ロゴに添えられ、長期間使われます。スローガンは、期間やキャンペーンを区切って掲げる号令に近い言葉。キャッチコピーは、商品や広告など個別の文脈で人を振り向かせる言葉で、寿命は短くてかまいません。そしてステートメントは、タグラインの背景にある考えを文章で語ったもの——タグラインが「見出し」なら、ステートメントは「本文」です。

この階層の一番奥には、ミッション・ビジョン・バリューといった企業理念があります。理念が内側の判断基準、ステートメントとタグラインはそれを外に語るための翻訳、という関係です。

実例で見る——有名企業の「言葉」はどの階層か

有名な企業の言葉を階層に当てはめてみると、違いがつかみやすくなります。

タグラインの好例は、サントリーの「水と生きる」や資生堂の「一瞬も 一生も 美しく」。事業の核と価値観が一言に圧縮され、ロゴとともに何年も使われ続けています。ニトリの「お、ねだん以上。」は顧客への約束をタグライン化した型、タワーレコードの「NO MUSIC, NO LIFE.」は世界観宣言の型です。

スローガンの代表はナイキの「Just Do It.」やAppleがかつて掲げた「Think different」。企業の人格と強く結びついていますが、成り立ちとしては広告キャンペーンから生まれ、時代とともに使われ方が変わってきた言葉です。

そして各社の企業サイトで、これらの一言の「背景」を数行〜十数行の文章で語っているページがあれば、それがコーポレートステートメントです。多くの企業では「私たちについて」「トップメッセージ」「企業理念」といったページに、タグラインを見出しに、ステートメントを本文に、という構造で置かれています。

つまり実例から見えるのは、強い言葉を持つ企業は「一言(タグライン)」と「文章(ステートメント)」をセットで運用しているということです。一言だけでは背景が伝わらず、文章だけでは覚えてもらえません。

良いステートメントの条件

数多くの企業の言葉づくりをご一緒してきた実感として、良いステートメントには共通点があります。

第一に、固有の情景が入っていること。「お客様に寄り添う」ではなく、その会社が実際に寄り添ってきた場面が透けて見える文章は強い。第二に、社員が読んで「うちの会社だ」と思えること。ステートメントは対外的な言葉に見えて、実は社内への効果が大きい。採用面接で候補者が語り、社員が仕事に迷ったとき立ち返る文章になります。第三に、声に出して読めること。式典やスピーチで実際に読まれる文章なので、リズムが悪い言葉は使われなくなります。

つくるときは「理念→ステートメント→タグライン」の順で

実務では、内側の理念を先に固め、それを文章化(ステートメント)し、最後に圧縮(タグライン)する順番をおすすめしています。逆順で「かっこいい一言」から作ると、後から中身を埋めることになり、言葉と実態が乖離します。

進め方の標準形は、①経営者・社員へのインタビューで事実と情景を集める → ②語るべき要素を構造化する → ③文章化して複数トーンで書き分ける → ④声に出すテストと社内での検証 → ⑤タグラインへの圧縮、という流れです。期間はインタビューから確定まで2〜3ヶ月が目安です。

よくある質問

Q. 何文字くらいが適切ですか?

決まりはありませんが、実務上は100〜300字程度に収まるものが多いです。式典やサイトの冒頭で「読まれる」ことを考えると、声に出して30秒〜1分がひとつの目安。長くなるほど美文になりがちで、覚えられなくなります。

Q. 英語では何と言いますか?

そのまま corporate statement と言うより、内容に応じて mission statement(使命)、brand statement、about us の文章として扱われるのが一般的です。海外向けに展開する場合は、直訳ではなく英語圏の読者の文脈で書き直すことをおすすめします。

Q. 企業理念やMVVがすでにあります。ステートメントも必要ですか?

理念が「社内の判断基準」として機能しているなら、ステートメントはそれを社外向けの物語に翻訳したものとして作る価値があります。逆に、理念が形骸化しているなら、先に理念の再点検からです。

Q. 誰が書くべきですか?コピーライターに依頼すべき?

最終的な文章化はプロが担うとしても、素材(歴史・意思決定・情景)は社内からしか出てきません。経営者インタビューと社員の対話を経ずに外注だけで作った文章は、どれほど美しくても「どこかの会社の言葉」になります。社内の素材集め×外部の編集、の組み合わせが現実解です。

まとめ

コーポレートステートメントは、企業の存在意義を文章で宣言したもの。タグラインが「見出し」、ステートメントが「本文」、その奥に理念という「原文」がある——この地図さえ共有できていれば、社内の言葉の議論は迷子になりません。

ステートメント・タグラインの開発はサービス紹介(コーポレートメッセージ・サイト構築)をご覧ください。

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