「発信はしているんです。内容も悪くないと言われます。ただ、見られていない」
社内ポータルのご相談は、ほぼ例外なくこの言葉から始まります。調べてみると、同じ情報への入り口がポータルのあちこちに複数ある。どこに何があるか分かっているのは作った本人だけ。中途入社の方からは「情報がどこにあるか分からない」という声がサーベイに上がってくる——。
これはコンテンツの質の問題ではありません。情報設計の問題です。
組織図で作らない。「利用シーン」で作る
見られないポータルの多くは、組織の都合で設計されています。人事部のページ、総務部のページ、経理部のページ……。しかし社員は「人事部の情報が見たい」のではなく、「証明書を発行したい」「引っ越したので手続きしたい」のです。
私たちが情報設計をするときは、業務カテゴリではなく利用シーンでカテゴリを組み直します。あわせて、情報をストック(規程・マニュアルなど変わらないもの)とフロー(お知らせなど流れていくもの)に仕分けし、置き場所と鮮度管理のルールを分けます。

イントラは「プッシュの受け皿」と割り切る
もうひとつの設計思想は、通知との役割分担です。社員は忙しく、自分からポータルを開きに来る人は多くありません。日々の告知はメールやチャットでプッシュする。そしてプッシュを受けて「詳しく知りたい」と思った人がたどり着く先——プッシュの受け皿——としてイントラを位置づける。この割り切りだけで、ポータルに求めるものが明確になり、設計は一気にシンプルになります。
ペルソナ設計も机上で作りません。実在の社員をベースに「会議が多く移動中にスマホで見る役員」「共用PCを数人で使う現場スタッフ」といった解像度で考えます。工場や店舗など、そもそもPCにアクセスできない層が何割いるかは、最初に確認すべき前提です。
走り出す前に「どうなったら成功か」を決める
最後に、イントラ刷新プロジェクトで最も多いつまずきは、成功指標を決めずに走り出すことです。数ヶ月後に「結局、何のためにやっているんだっけ?」となり、仕切り直しになる——実際にある光景です。
アクセス数でも、検索到達率でも、サーベイの「情報が見つけやすい」スコアでもかまいません。先に指標を置いてから設計に入ること。それから、社員アンケートは一回勝負です。何度も聞けるものではないので、設計に時間をかける価値があります。
社内イントラ・ポータルの進め方は、サービス紹介(社内イントラ・ポータル開発)をご覧ください。



