理念やビジョンの策定プロジェクトを始めるとき、私たちが最初に確認することは、言葉のことでも組織のことでもありません。「発表の場はいつですか」です。
周年式典、期首の方針発表、経営計画の公表、キックオフ総会。企業には必ず、言葉を披露するのにふさわしい「場」があります。理念プロジェクトのスケジュールは、この場から逆算して引く。それが私たちの型です。
締切がないと、言葉は完成しない
「じっくり議論して、良いものができたら発表しよう」——一見誠実なこの進め方には、落とし穴があります。締切のない言葉の議論は、終わらないのです。役員それぞれにこだわりがあり、全員が納得する表現を待っていると、案は際限なく磨かれ続けます。そして磨かれすぎた言葉は、たいてい角が取れて、誰の心にも引っかからなくなります。
発表の場が決まっていれば、議論には自然と締切が生まれます。「この日に社長がこの言葉を語る」という具体的なイメージが、抽象論を現実に引き戻してくれます。
逆算スケジュールの標準形
発表日から逆算した標準的な組み立ては、こうなります。発表の1ヶ月前までに最終確定(社内資料・スピーチ・掲示物の制作期間)。その1ヶ月前に役員への複数案提示。さらにその前に、社員ワークショップでの素案磨きが1〜2ヶ月。冒頭のインタビュー(経営者・役員・キーマン社員)に1ヶ月——合計でおよそ3〜4ヶ月です。
大事なのは、発表「後」の計画もこの時点で書いてしまうこと。発表の半年後に現場の会議で理念の言葉が使われているために、どんな浸透施策をいつ打つか。発表をゴールではなく中間地点として設計しておくと、理念が「額の中」で止まる事態を防げます。

発表の場がまだ無いなら、つくる
「ちょうどいい節目が無いんです」という場合は、場を先につくることをおすすめしています。全社総会でもいい、経営合宿の報告会でもいい。日付が決まった瞬間から、プロジェクトは前に進み始めます。
理念策定の進め方・スケジュール感はサービス紹介(MVV・理念策定)をご覧ください。



