新しい音楽の授業で、 未来を生きる力を 世界に届けるための言葉をつくる
ヤマハ株式会社
実施施策
- クライアント担当者とのワークショップ実施
- コンセプト設計・ステートメント策定
- サービスコピーライティング
- サイト内テキスト制作
概要

楽器の製造販売などを行うヤマハ株式会社が推進する「スクールプロジェクト」は、カリキュラムや機材、指導者不足などから音楽教育の環境が十分に整っていない新興国に向けて、公教育における音楽授業の普及を産官学連携で推進する取り組みです。多くの子どもたちが音楽や楽器演奏を学ぶ中で、未来を生きる力を手に入れ、こころ豊かな人生を送ることができる世界を目指しています。
リニューアル前のWebサイトでは、展開国や実績などの客観的情報は掲載されていたものの、各国の具体的な活動内容やその意図、プロジェクトに込められた想いなどが十分に表現しきれていない状態でした。加えて、スクールプロジェクトが「慈善事業」「寄付活動」「草の根活動」といった誤解を持たれることも多く、産官学連携で音楽教育の制度そのものをつくるという本質的な事業価値が伝わっていないという課題がありました。
株式会社イランコッペでは、CINRA, Inc.とともにWebサイトリニューアルおよび動画制作プロジェクトに参画。プランナー・コピーライターとして、ワークショップの設計・実施からコンセプト策定、サイト全体のテキスト制作までを担当しました。
ワークショップの実施
プロジェクトの出発点として、ヤマハ社内のスクールプロジェクト担当者を集めたワークショップを実施しました。音楽普及グループやマーケティング部門など、異なる立場のメンバーが参加し、4つのワークを通じてプロジェクトの本質を言語化していきました。

「WHO(誰にどんな変化を届けたいか)」では、子どもたちや現地教員、各国政府関係者、株主やメディアなど、多様なステークホルダーへの提供価値を整理。「STORY(プロジェクトを象徴するストーリー)」では、教科書にリコーダーの写真はあるけれど実物に触れたことがない子どもたちの存在や、音楽を通じた非認知能力の育成が各国政府の関心を集めているといった、現場のリアルなエピソードが共有されました。「DO's & DON'Ts(伝えたいこと・伝えたくないこと)」では、慈善活動ではなくビジネスとして取り組んでいること、楽器の演奏技術ではなく音楽を通じたコンピテンシー教育であることなど、発信の方向性を明確化。「FUTURE(20年後のビジョン)」では、音楽教育を受けた子どもたちが社会で活躍し、国の未来をつくっていく姿を具体的に描きました。
コンセプト設計・ステートメント策定

ワークショップで得られた知見をもとに、スクールプロジェクトの情報をWHY(なぜ存在するのか)・HOW(どのように実現しているのか)・WHAT(何を提供しているのか)のフレームで整理。ヤマハのビジョン、世界の公教育の現状、音楽の授業がもつ可能性、ヤマハだからこそできるソリューション、そして実現したい社会的・経済的価値を体系的に構造化し、複数のステートメント案を提案しました。
検討を重ねる中で、単なる音楽教育の導入ではなく、音楽を通じて子どもたちの「未来を生きる力」——創造力、感受性、チームワーク、リーダーシップ——を育むことこそがスクールプロジェクトの本質であるという共通認識が醸成されました。この議論を経て、最終的にステートメント「新しい音楽の授業で、未来を生きる力を」が策定されています。
サイト内コピーライティング

サイト内のテキスト制作では、これまで文字情報を中心に発信されていた活動内容を、プロジェクトの意義や現地の想いが伝わる言葉へと再構成。カリキュラム構築支援・楽器提供・指導者育成という3つの事業要素や、産官学連携の枠組み、各国での実績といった情報を、ステートメントと一貫したトーンで表現しました。映像やビジュアルと一体となって、訪問者がスクールプロジェクトの全体像と価値を直感的に理解できるコピーライティングを行っています。
リニューアル後、クライアント社内からは「非常にわかりやすく、一貫したトーンやデザインで発信できている」「映像や画像を通して、現地の様子がとてもリアルに伝わってくる」といったポジティブな反響が多数寄せられています。


関連リンク
クレジット
- プランナー、コピーライター:宮崎慎也
- ウェブ・動画制作:CINRA, Inc.



