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効くコーポレートメッセージとは? 策定の進め方と、"届く言葉"にするためのポイント
2026.02.11

効くコーポレートメッセージとは? 策定の進め方と、"届く言葉"にするためのポイント

コーポレートサイトブランディングキャッチコピー
宮崎 慎也
この記事を書いた人宮崎 慎也イランコッペ 代表取締役 / 編集者・プランナー
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企業の「らしさ」を、たったひとことで伝える。それがコーポレートメッセージの役割です。

しかし、いざ策定しようとすると「何から始めればいいかわからない」「コピーライターに任せればいいの?」という声をよく耳にします。

この記事では、インナーブランディングの現場で数多くの企業メッセージ策定に携わってきた私たちの経験をもとに、コーポレートメッセージの基本から、策定の進め方、そして社内に"届く言葉"にするためのポイントまでをお伝えします。


コーポレートメッセージとは何か

コーポレートメッセージとは、企業の存在意義や価値観を短い言葉で表現したフレーズのことです。「タグライン」「スローガン」「コーポレートステートメント」とも呼ばれます。

たとえば、「ココロも満タンに(コスモ石油)」や「地図に残る仕事。(大成建設)」のように、企業名を聞いたとき一緒に浮かぶ言葉。それがコーポレートメッセージです。

似た概念として「キャッチコピー」がありますが、両者の違いは明確です。キャッチコピーは特定の商品やキャンペーンのために作られる短期的な言葉であるのに対し、コーポレートメッセージは企業全体の姿勢や価値観を長期にわたって伝えるものです。

また、ミッション・ビジョン・バリュー(MVV)との関係でいえば、コーポレートメッセージはMVVのエッセンスを「社外にも伝わる言葉」に翻訳したものと捉えるとわかりやすいでしょう。MVVが社内の羅針盤だとすれば、コーポレートメッセージは社外に掲げる旗のようなものです。


なぜ今、コーポレートメッセージが必要なのか

「うちはBtoBだから、メッセージなんていらない」——そう思われる方もいるかもしれません。しかし、コーポレートメッセージが果たす役割は、消費者向けの認知獲得だけではありません。

1. 採用における「選ばれる理由」になる

求職者は、給与や待遇だけでなく「その企業が何を大切にしているか」を見ています。コーポレートメッセージは、企業の人格を一瞬で伝える手段です。採用サイトや説明会でメッセージがあるかないかで、候補者に与える印象は大きく変わります。

2. ブランドの「一貫性」をつくる

Webサイト、名刺、提案書、IR資料。企業が発信する媒体は多岐にわたります。コーポレートメッセージがあることで、すべてのコミュニケーションに一本の軸が通り、ブランドとしての一貫性が生まれます。

3. 社員の「行動指針」になる

意外に思われるかもしれませんが、コーポレートメッセージの最大の効果は社内にあります。日々の業務で迷ったとき、「自分たちはこういう会社だ」と立ち返れる言葉があること。それが組織の判断基準となり、カルチャーを形成していく力になります。


策定の進め方——3つのステップ

コーポレートメッセージは、ひらめきやセンスだけで生まれるものではありません。私たちは、以下の3つのステップを丁寧に踏むことで、企業の本質を捉えた言葉にたどり着けると考えています。

ステップ1:自社を「知る」

まず取り組むのは、自社の棚卸しです。

  • 経営層へのインタビュー:創業の想い、事業にかける信念、10年後のビジョン
  • 社員ワークショップ:現場が感じている「自社らしさ」、誇りに思っていること
  • 顧客・取引先の声:外から見た自社の強み、選ばれている理由

この段階でよくある落とし穴は、経営層の想いだけでメッセージを作ってしまうことです。トップダウンで決めた言葉は、美しくても現場に響きません。社員が「たしかにそうだ」と実感できる言葉にするためには、組織の中にある声を丁寧に集めるプロセスが不可欠です。

ステップ2:メッセージの「軸」を決める

集めた素材を整理し、メッセージの方向性を定めます。ここで重要なのは、「何を語るか」を決めること。大きく分けると3つのタイプがあります。

ミッション型:「なぜ存在するか」を語る 企業の存在意義や社会的な使命を宣言するタイプ。事業の根幹にある「なぜやるのか」を伝えたい企業に向いています。たとえば、「いのちと食を未来につなぐ(ミツカン)」のように、事業を通じて果たす使命を掲げるメッセージです。

ビジョン型:「どこへ向かうか」を語る 未来の姿や実現したい世界を宣言するタイプ。変革期にある企業や、新たな方向性を打ち出したい企業に向いています。

バリュー型:「何を大切にしているか」を語る 企業の価値観や行動原則を表現するタイプ。長い歴史を持つ企業や、独自の文化を強みとする企業に適しています。

どれが正解ということはありません。大切なのは、自社が今伝えるべきことは何かを見極めることです。

ステップ3:言葉に「落とす」

方向性が定まったら、いよいよ言語化のフェーズです。

ここで意識しているのは、「覚えやすく、語りたくなる言葉」にすること。具体的には以下の観点を大切にしています。

  • 短さ:長くても15文字以内が目安。短い言葉ほど記憶に残る
  • 具体性:抽象的な美辞麗句ではなく、自社ならではの手触りがある言葉
  • リズム:声に出したときに心地よく、口ずさみたくなるテンポ
  • 唯一性:他の企業に置き換えても成立するなら、それはまだ「自社の言葉」ではない

言葉を作るプロセスでは、数十案、ときには百案以上のフレーズを出し、経営層や社員と何度も対話を重ねながら磨いていきます。

ステップ3+α:ビジュアルとともに届ける

言葉が決まったら、それで終わりではありません。メッセージは「どう届けるか」によって、伝わり方がまったく変わります。

コーポレートメッセージは、多くの場合ロゴやWebサイト、社内ツールなど視覚的な媒体の中で使われます。つまり、言葉とビジュアルは切り離せない関係にあるのです。

たとえば、同じメッセージでも、余白を活かしたタイポグラフィで見せるのか、写真とともに配置するのかで、受け手の印象は大きく変わります。色、書体、レイアウト、イラスト——こうしたビジュアル要素がメッセージの「トーン」を形づくり、言葉だけでは伝えきれないニュアンスを補完してくれます。

私たちがメッセージ策定と合わせて、ロゴデザインやイラスト制作、Webサイト構築までを一貫して手がけるのは、言葉とビジュアルの両方が揃ってはじめて、企業の「らしさ」が伝わると考えているからです。


"届くメッセージ"にするためのポイント

策定はゴールではなく、スタートです。どんなに優れたメッセージも、社内外に届かなければ意味がありません。私たちが現場で実感しているポイントを3つお伝えします。

ポイント1:「決めた人」を増やす

メッセージ策定のプロセスに関わる人が多いほど、その言葉は組織に根づきやすくなります。なぜなら、策定に関わった人はメッセージの「当事者」になるからです。

全社員が策定に参加するのは現実的ではありませんが、部署横断のプロジェクトチームを組む、社員アンケートを実施する、中間報告の場を設けるなど、できるだけ多くの人が「自分もこの言葉を選んだ」と感じられる仕組みをつくることが大切です。

ポイント2:「使われる仕組み」をつくる

メッセージが社内のポスターに貼られているだけでは浸透しません。大切なのは、日常業務の中でメッセージに触れる接点をつくることです。

たとえば、名刺やメール署名にメッセージを入れる。社内報の特集で「メッセージを体現しているプロジェクト」を紹介する。評価制度の項目にメッセージの体現を組み込む。このように、メッセージが「飾り」ではなく「道具」として使われる環境をデザインすることが浸透のカギです。

ポイント3:「育てる」意識を持つ

コーポレートメッセージは、策定した瞬間が完成ではありません。社員がメッセージを自分の言葉で語り始めたとき、顧客がメッセージを引用してくれたとき、少しずつ育っていくものです。

策定から半年後、1年後に振り返りの場を設け、メッセージが組織の中でどう受け止められているかを確認する。必要があれば補足の言葉を添えたり、表現をアップデートしたりする柔軟さも大切です。


まとめ

コーポレートメッセージは、企業の「らしさ」を凝縮した言葉です。

策定にあたって大切なのは、トップの想いだけでなく現場の声も含めて自社を深く知ること。そして、言葉にした後も、組織の中で使われ、育てていく仕組みをつくること。

私たちイランコッペは、コーポレートメッセージの策定から、社内浸透のプログラム設計まで、一貫してご支援しています。

「自社の言葉」をつくりたいとお考えの方は、お気軽にご相談ください。


株式会社イランコッペは、インナーブランディングを専門とする会社です。ミッション・ビジョン・バリューの策定から社内浸透まで、企業の"らしさ"を編集とクリエイティブで形にしています。

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